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ERCOL ウィンザーチェアガイド

ERCOL ウィンザーチェアガイド

前回はERCOL社の歴史、そしてヴィンテージの魅力、特に人気のウィンザーチェアについてお話ししました。

時代と流行を超え、洗練されたデザインと耐久性から、世界中の人を今もなお魅了し続けるERCOL。そんなERCOLに憧れている方の最初の一歩を応援し、今回はERCOLの代名詞にもなったウィンザーチェアをベースにデザインされたチェアの中からSCOUT VINTAGEにて取り扱いのある6点をご紹介します。

チェア紹介の後には、知ってると役立つ豆知識のご案内も!ぜひ最後までお楽しみください。


初心者さんにおすすめ・バリエーション豊富な定番アイテム

伝統のウィンザーチェアにひと工夫のモダンデザイン

スタンダードなデザインながら後ろ姿が個性的

人気ナンバーワン・高度な曲木技術の集大成

王冠がモチーフの風格あるウィンザーチェアの象徴

耐久性・機能性・厳格な試験をクリアした名作チェア

知ってるとチェア探しがもっと楽しく・もっと特別になる豆知識

ERCOLのヴィンテージ家具にはその製品の年代を知る手がかりがあります。

まず1つ目は側面や裏面に貼られているシールです。色、デザインから製造年代を知ることができます。新しい物には金属製のタグが埋め込まれているのですが、ヴィンテージ家具は紙のシールなので取れやすいため、シールが残っているものは貴重と言われています。

上図は当店のERCOLチェアのコレクションで見かけたシールですが、他にも色違いやデザイン違いなど様々なシールがあり、シールをお目当てにERCOLを集める方もおられます。

そしてもう1つの手がかりは、座面裏にある刻印です。当店で確認したものでは「British Standards」(ブリティッシュスタンダード)と「Utility Furniture CC 41」(ユーティリティファニチャー CC41)があります。

British Standardsは、サービスの品質と安全性を保証する認証マークです。刻印中央のハートのようなロゴはその頭文字から「BSロゴ」と呼ばれたり、凧のようなデザインから「Kitemark™(カイトマーク)」と呼ばれることも。

「B.S.1960」は1960年に製造された製品でBritish Standards(英国規格)に認定されたことを表しています。「E.G.2056」について正確な情報は分かりませんが、ERCOLのチェアは1950〜1960年代に学校で使用されていたため、強度・安定性などの特定の検査に適合したことを意味するのではないかと推測しています。

Utility Furniture CC 41は1941年から1951年の間に使われた、品質を証明する認証マークです。CC41はCivilian Clothing 1941(シビリアン クロージング 1941年)の頭文字を表し、「ユーティリティマーク」と呼ばれています。第二次世界大戦中の物資不足解消のため、家具、織物、履物などを対象に節約基準が設けられ、厳しい検査を通過した製品に押されました。この刻印は70年以上前〜80年未満の製品であり、戦時中という厳しい時代を乗り越えた奇跡的な製品であるということです。

このようにEROCLのヴィンテージ家具には製造された年代、時代背景を知る目印が隠れています。もしかするとさらに珍しいシールや刻印があるかもしれません。お店にお越しの際には座面裏や側面をチェックしてくださいね。

おわりに

ウィンザーチェアガイドはお楽しみいただけたでしょうか?どのチェアも特徴が様々で個性いっぱい。迷いそうですね。しかし、滑らかな木の風合いと温かみ、素朴だけど洗練されたデザインは全てのチェアに共通しています。ERCOLのヴィンテージチェアはそこにあるだけで空間の雰囲気を変えてしまう魅力のある名品揃いです。

次回は、ERCOLチェアを使ったコーディネートの実例をご紹介します。座るだけではもったいないほど、アイデア次第で様々な使い方が可能です。どうぞお楽しみに。


チェアの名前は時代と共に変化し、様々な呼称が存在します。当記事はERCOLのオリジナルカタログ(1950-1970年版)を参考にしています。

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